歯科コラムcolumn

【インプラントの安全性】「勘」や「経験」だけに頼らない手術へ。サージカルガイドという「精密な地図」が、なぜ不可欠なのか2026/02/14

承知いたしました。「フラップレス(歯茎を切らない手術)はやらない」「全症例ではなく、シビアな難症例でこそ真価を発揮する」という点、そして「1ミリ」の重みを強調する形に修正します。

より実直で、医療のリスクと誠実に向き合う「職人かつ専門家」の視点で執筆しました。


記事タイトル: その「1ミリ」が、安全と危険を分ける境界線になる──難症例におけるサージカルガイドの真価

武蔵小金井ハーヴェスト歯科・矯正歯科でございます。

インプラント治療をご検討中の患者様が、最も不安に感じること。それはやはり「手術」そのものでしょう。「骨の中に器具を入れる」という行為に対して、恐怖心を抱かない方はいらっしゃいません。特に、過去に他院で「骨が少ない」「神経に近い」といった理由で治療を断られた経験のある方や、複雑な骨の形状をしている方であれば、なおさらその不安は大きいはずです。

本日は、当院がそうした「シビアな症例(難症例)」において、なぜ「サージカルガイド」という特殊な装置を用いるのか。その理由を、医療現場における「1ミリ」の重みという観点からお話ししたいと思います。

日常生活において、「1ミリ」という単位は誤差の範囲かもしれません。家具の配置が1ミリずれても生活に支障はありません。しかし、私たちが行う口腔インプラントの手術、特に骨の量が限られているケースにおいて、この「たった1ミリ」は、天国と地獄を分けるほどの決定的な距離となります。

下顎の骨の中には、唇や皮膚の感覚を司る太い神経や主要な血管が通っています。また、上顎の骨のすぐ上には上顎洞という空洞が広がっています。難症例と呼ばれるケースでは、インプラントを埋入できる安全な骨の幅や深さが、神経や血管までわずか数ミリしかないということが珍しくありません。

もし、フリーハンド(手作業)で行う手術で、ドリルの角度が手元でわずかにブレて、計画よりも「1ミリ」深く、あるいは「1ミリ」横にそれてしまったらどうなるでしょうか。それは即ち、神経の損傷や血管への接触という、取り返しのつかない医療事故に直結しかねないのです。

もちろん、十分な骨量がある一般的な症例であれば、熟練した歯科医師の経験と指先の感覚で、安全に手術を行うことは可能です。しかし、ギリギリの精度が求められるシビアなケースにおいて、人間の「感覚」や「経験」だけに頼ることは、あまりにリスクが高いと私たちは考えます。

そこで当院が導入しているのが、デジタル技術を応用した「サージカルガイド」です。

サージカルガイドとは、マウスピースのような形状をした樹脂製の装置です。これには、CT(3次元レントゲン)データをもとに計算し尽くされた、「ドリルを通すための穴」だけが開けられています。手術の際、これを患者様のお口にしっかりと固定します。

すると、ドリルはそのガイドの穴に導かれ、あらかじめコンピュータ上で設計された「安全な深さ」「安全な角度」以外には物理的に進まなくなります。 つまり、この装置は「1ミリのズレ」さえも許さない、物理的なストッパーの役割を果たすのです。これにより、骨の中にある神経や血管を確実に回避し、理論上の安全性を極限まで高めることができます。

このガイドを作製するためには、極めて緻密な前準備が必要です。 まず、歯科用CTで骨の内部情報を3次元的に撮影し、神経や血管の走行を完全に把握します。そして、専用のシミュレーションソフト上で、「どの位置に埋入すれば、神経を傷つけず、かつ長期的に噛めるのか」を徹底的に検証します。

私たちがサージカルガイドを用いるもう一つの大きな理由は、「補綴(ほてつ)主導型」の治療を実現するためです。 インプラントは、ただ骨がある場所にねじ込めば良いわけではありません。最終的に入る「人工の歯」が、噛み合わせとして機能し、見た目も美しくなる位置にあることが重要です。骨が少ない難症例ほど、骨のある場所を探して無理な角度で埋入してしまいがちですが、それでは長持ちしません。

ガイドを用いれば、「理想の歯の位置」から逆算して、どうしても骨が足りない場合は骨を造る処置(骨造成)を併用するなど、場当たり的ではない、計画的な治療が可能になります。

武蔵小金井ハーヴェスト歯科・矯正歯科では、すべての症例にガイドを使うわけではありません。必要なケースとそうでないケースを見極めるのもプロの診断です。しかし、リスクが高いと判断される難症例においては、迷わずこのテクノロジーの力を借ります。デジタルデータという客観的な根拠に基づいた「確実な安全」を患者様に提供したいからです。

「他院で難しいと言われた」「神経に近いからリスクがあると言われた」。 そんな不安をお持ちの方こそ、ぜひ一度当院のカウンセリングにお越しください。CT画像をもとに、あなたの顎の骨の状態を正確に診断し、1ミリの妥協もない、あなただけの安全な治療計画をご提案させていただきます。

失った歯を取り戻す喜びを、不安のない状態で迎えていただくこと。それが、私たちの目指す歯科医療の形です。

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