歯科コラムcolumn

歯がしみる原因と対処法|知覚過敏と虫歯の見分け方を武蔵小金井の歯科医師が解説2026/10/03

「冷たい水を飲むと歯がキーンとしみる」「歯みがきのときにピリッとする」——歯がしみる原因として多いのは、歯の内側にある象牙質(ぞうげしつ)がむき出しになり、刺激が神経に伝わりやすくなる「知覚過敏」です。ただし、虫歯や、歯の神経(歯髄:しずいのこと)の炎症でも同じように「しみる」と感じることがあり、症状だけで原因を決めつけるのは難しいのが実際です。

見分ける手がかりになるのは、「何でしみるか(冷たいもの・熱いもの・甘いもの)」「しみる時間がどのくらい続くか」「どこがしみるか」の3点です。刺激があったときだけ一瞬しみてすぐに治まる場合は知覚過敏の可能性があり、しみる時間が長い、何もしなくても痛む、熱いものでしみるといった場合は、虫歯が深い、あるいは神経に炎症が起きている可能性が考えられます。

この記事では、武蔵小金井で精密治療を担当する当院の歯科医師が、歯がしみる原因、しみる場面別の見分け方、知覚過敏と虫歯の違い、自宅でできる対処法、様子を見てよいケースと早めに受診したいサイン、歯科医院での治療までを順に解説します。読み終えたときに、ご自身の症状について「何が考えられ、いつ相談すればよいか」の見当がつくことを目指した内容です。

この記事の目次

この記事の要点

  • 歯がしみる原因は、象牙質が露出して起こる「知覚過敏」と、「虫歯や歯の神経の炎症」の大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。
  • 刺激があるときだけ一瞬しみてすぐ治まるなら知覚過敏の可能性があり、しみる時間が長い・何もしなくても痛む場合は虫歯や神経の炎症が疑われます。
  • 熱いものでしみる場合は、歯の神経に炎症が起きている可能性があるため、様子を見ずに早めの受診が勧められます。
  • 自宅では知覚過敏用の歯みがき剤を続けて使う、ぬるま湯でやさしくみがくといった対処ができますが、しみるからと歯みがきを控えるとかえって悪化することがあります。
  • 知覚過敏か虫歯かはご自身では見分けにくいため、しみる状態が続く・強くなる場合は歯科医院で原因を確かめることが大切です。

歯がしみる原因は?知覚過敏と虫歯・神経の炎症に分けて考える

歯がしみる原因は、大きく「虫歯などの病気がなくても起こる知覚過敏」と「虫歯や歯の神経の炎症によるもの」の2つに分けて考えると整理しやすくなります。どちらも「しみる」という似た感覚として現れるため、しみ方の特徴から原因の見当をつけていきます。

知覚過敏とは

知覚過敏とは、歯ブラシの毛先が触れたときや、冷たい飲食物・甘いもの・風にあたったときなどに歯に感じる一過性の痛みで、虫歯や歯の神経の炎症などの病変がない場合にみられる症状のことです(日本歯科医師会 テーマパーク8020「知覚過敏」)。「一過性」とは、刺激が加わったときだけ起こり、しばらくすると治まるという意味です。

歯の表面はエナメル質という硬い層で覆われ、その内側に象牙質という層があります。象牙質には神経のある歯の中心部へ向かう細い管(象牙細管:ぞうげさいかんのこと)が無数に通っていて、象牙質がむき出しになると、冷たさや歯ブラシの刺激がこの管を通じて神経に伝わりやすくなります。これが知覚過敏の基本的なしくみです。

なお、この細い管は加齢などで少しずつふさがることもあり、象牙質が露出していれば誰でもしみるというわけではないとされています。同じように歯ぐきが下がっていても、しみる人としみない人がいるのはこのためです。

知覚過敏の主な原因

日本歯科医師会の解説では、知覚過敏の原因として、歯ぐきの退縮、歯の破折、歯のすり減り、酸による歯の溶解(酸蝕歯)、虫歯治療後、ホワイトニングに伴うものが挙げられています。それぞれ、次のような状態です。

  • 歯ぐき(歯茎)が下がる(歯肉退縮):歯ぐきは加齢とともに少しずつ下がり、歯周病や強すぎる歯みがきでも下がることがあります。エナメル質に覆われていない歯の根元の象牙質が出てくると、しみやすくなります。
  • 歯のすり減り:長年の使用や歯ぎしり・食いしばりで歯がすり減り、エナメル質の下の象牙質が出てくることがあります。
  • 歯のひび・欠け(破折):ぶつけたり強い力がかかったりして歯が欠けると、象牙質が露出してしみることがあります。
  • 酸で歯が溶ける(酸蝕歯):酸蝕歯(さんしょくし)とは、酸性の飲食物に頻繁・長時間ふれることで歯が溶け、象牙質が露出した状態のことです。エナメル質はpH5.5程度で溶け始めるとされています。
  • 治療に伴うもの:虫歯治療のあとや、歯石を取ったあと、ホワイトニングに伴って、一時的にしみることがあります。

虫歯や神経の炎症でもしみる

虫歯は、細菌が出す酸によって歯が溶け、穴があいていく病気です。エナメル質の範囲にとどまる小さな虫歯では自覚症状がないことも多いのですが、象牙質まで進むと冷たいものや甘いものでしみるようになり、さらに神経の近くまで進むと、しみる時間が長くなったり、何もしなくてもズキズキ痛んだりすることがあります。

歯髄炎(しずいえん)とは、虫歯などが原因で歯の神経(歯髄)に炎症が起きた状態のことです。また、詰め物や被せ物の周りや下にできる虫歯を「二次う蝕(にじうしょく)」といい、以前治療した歯がしみ始めた場合に考えられる原因のひとつです。

虫歯がどのように進み、段階によってどんな治療になるかは、虫歯の進行度(C0〜C4)と削る量を抑える治療の考え方を解説した記事で詳しくご紹介しています。

冷たい・熱い・甘いもの…しみる場面別に原因を見分ける早見表

どんな場面でしみるかは、原因を考えるうえで大切な手がかりです。特に「熱いものでしみる」場合は、冷たいものでしみる場合よりも注意が必要なサインとされています。まずは下の早見表で、ご自身の症状に近い場面を確認してみてください。

しみる場面 考えられる主な原因 様子を見る場合の目安 早めに受診したいサイン
冷たい水・冷たい飲食物 知覚過敏(歯ぐき下がり・すり減りなど)、虫歯、詰め物の周りの虫歯(二次う蝕)、深い虫歯による神経の炎症 一瞬しみてすぐに治まり、しみ方が強くなっていない しみる時間が長くなった、しみる歯が増えた、詰め物が取れた・欠けた
熱いもの(お茶・汁物など) 歯の神経の炎症、歯の根の周りの炎症(歯髄炎・歯根膜炎の疑い) 様子見はおすすめしにくい 熱いものでしみる・痛む時点で早めに相談
甘いもの 虫歯、知覚過敏 一瞬しみてすぐに治まり、特定の歯に限らない 同じ歯で繰り返す、黒い部分や穴が見える、食べ物が挟まりやすくなった
歯みがき・風(息を吸ったとき) 知覚過敏(根元の象牙質の露出)、強すぎる歯みがき 毛先が触れたときだけ一瞬しみる 歯ぐきが下がって根元が目立ってきた、歯ぐきの腫れや出血がある
噛んだとき 歯のひび・破折、虫歯、治療後のかみ合わせ、歯ぎしり・食いしばり 様子見はおすすめしにくい 噛むたびにしみる・痛む、特定の方向で噛むと鋭く痛む
虫歯治療後・歯石を取ったあと 処置による神経の一時的な過敏、根元の象牙質の露出 日を追うごとに軽くなっている だんだん強くなる、何もしなくても痛む、噛むと痛い
ホワイトニング後 薬剤による一時的な知覚過敏 ホワイトニングを休むと軽くなる 休んでも続く、強くなる
何もしなくても痛む・夜にズキズキする 深い虫歯、歯の神経の炎症 様子見はおすすめしにくい できるだけ早く受診を

※早見表は、原因の見当をつけるための一般的な目安です。複数の原因が重なっていることもあり、最終的な判断には診察が必要です。

冷たい水でしみる場合

日本歯科医師会の「お口の119」では、冷たい水でしみる場合に考えられるケースとして、歯ぐきが下がって歯の根が露出した場合(知覚過敏など)、詰め物が取れた場合や詰め物の周りに虫歯ができた場合(二次う蝕など)、元の虫歯が深い場合(歯髄炎の疑いなど)が挙げられています(日本歯科医師会 テーマパーク8020「お口の119:歯がしみる」)。

このように、「冷たいものでしみる=知覚過敏」とは限らない点に注意が必要です。しみる歯に詰め物や被せ物があるか、いつ頃からしみ始めたかも、原因を考えるうえでの手がかりになります。

熱いものでしみるのは要注意のサイン

熱いもので痛む場合は、歯の神経が炎症を起こしている可能性があるとされています(歯髄炎・歯根膜炎の疑い)。歯根膜炎とは、歯の根の周りにある歯根膜(歯と骨をつなぐ薄い膜のこと)に炎症が起きた状態です。冷たい水を口に含むと一時的に楽になることがありますが、治ったわけではなく、さらに悪化するおそれがあるため、早めの治療が勧められています。

これまで冷たいものでしみていた歯が、ある時期から熱いもので痛むように変わってきた場合も、神経の炎症が進んでいるサインのことがあります。「冷たいものより熱いもののほうがつらい」と感じたら、自己判断で様子を見続けないようにしましょう。

甘いもの・風・歯みがきでしみる場合

甘いものや風、歯ブラシの毛先でしみるのは、知覚過敏でよくみられる症状です。一方で、甘いものでしみるのは虫歯でも起こるため、同じ歯で繰り返ししみる、しみる時間が長くなってきたという場合は、虫歯の可能性も考えて確認することが大切です。風や歯みがきでしみる場合は、歯と歯ぐきの境目付近で根元の象牙質が出ていることが多く、歯ぐきの状態もあわせて確認します。

噛んだとき・ホワイトニング後にしみる場合

噛んだときにしみる・痛む場合は、歯のひびや、詰め物の不具合、かみ合わせの問題などが隠れていることがあります。ひびは外から見えにくく、歯の内部に細菌が入り込むと神経の炎症につながることもあるため、早めの確認が大切です。噛むと痛い・ズキズキするなど痛み全般の原因と対処は、歯が痛い・詰め物が取れた・噛むと痛いときの原因と対処を解説した記事もあわせてご覧ください。

ホワイトニングのあとにしみることもあります。日本歯科医師会の解説では、ホワイトニングによって一時的に軽度の知覚過敏が起きることがあり、ホワイトニングを終えれば治まるのが通例とされています。

知覚過敏と虫歯の違いは?見分け方のポイント

知覚過敏と虫歯を見分けるポイントは、「しみる時間の長さ」「刺激がないときの痛みの有無」「見た目の変化」「しみる場所」の4つです。ただし、あくまで目安であり、ご自身で確実に見分けるのは難しいことも知っておきましょう。

見分けるポイント 知覚過敏の可能性が考えられる場合 虫歯・神経の炎症の可能性が考えられる場合
しみる時間 刺激がなくなると短い時間で治まる しばらく続く、だんだん長くなってきた
刺激がないとき 痛みはない 何もしなくてもズキズキ痛むことがある
しみやすいもの 冷たいもの、歯ブラシの毛先、風、甘いもの 冷たいもの・甘いものに加え、熱いものでも痛む
見た目 歯ぐきが下がって根元が見える、根元がえぐれたようにへこんでいる 黒や茶色の変色、穴、詰め物の周りの変色やすき間
しみる場所 歯と歯ぐきの境目付近、複数の歯にまたがることもある 特定の1本、噛む面や歯と歯の間、詰め物の周り
時間による変化 同じ程度のしみ方が続く、または軽くなることもある 時間とともに強くなる傾向がある

しみる時間の目安として、日本歯科医師会の解説では、歯ぐきが下がって根元の象牙質が露出した場合のしみる痛みは、持続時間が長くても1分以内で、時間が経てば消えるとされています(日本歯科医師会「知覚過敏」)。反対に、刺激がなくなってもしみる感じや痛みが長く残る場合は、知覚過敏以外の原因を考える必要があります。

自分で見分けるのが難しい理由

知覚過敏と同じような「冷たい水でしみる」症状は、虫歯がある程度進んだ場合や、歯に亀裂が入っている場合にもみられます。歯と歯の間にできた虫歯や、詰め物の下で進んだ虫歯、細いひびは、鏡で見てもほとんど分かりません。また、知覚過敏と虫歯が同じ歯に同時に起きていることもあります。

日本歯科医師会の解説でも、知覚過敏なのか虫歯などによる痛みなのかは自分では分かりにくいため、早めの受診が勧められています。歯科医院では、見た目の確認に加えて、冷たい刺激や軽くたたいたときの反応、エックス線写真などを組み合わせて原因を確かめます。

歯がしみるときの対処法は?自宅でできることと避けたいこと

知覚過敏が疑われる軽いしみであれば、知覚過敏用の歯みがき剤を使う、ぬるま湯でやさしくみがくといった対処で様子を見られることがあります。ただし、自宅での対処は原因そのものを治すものではないため、しみ方が変わってきたら受診を検討しましょう。

自宅でできる主な対処

  1. 知覚過敏用の歯みがき剤を続けて使う:日本歯科医師会の解説では、硝酸カリウムを含む歯みがき剤を継続して使うことで、歯の神経の興奮を抑え、知覚過敏の改善効果があることが確かめられているとされています。象牙質の細い管をふさぐ成分を含む歯みがき剤もあります。
  2. ぬるま湯で歯みがき・うがいをする:冷たい水でしみる場合、歯みがきにはぬるま湯を使うとよいとされています。
  3. やわらかめの歯ブラシで、力を入れすぎずにみがく:横にゴシゴシ強くこすると、歯ぐきが下がったり根元がすり減ったりする原因になるため、毛先を歯に当てて小刻みに動かします。
  4. 歯みがきはやめずに続ける:しみるからとみがかずにいると歯垢(プラーク:細菌のかたまりのこと)がたまり、歯の表面が溶けて知覚過敏がかえって悪化することがあるとされています。
  5. 酸性の飲食物のとり方を見直す:炭酸飲料や酸っぱい飲み物を長い時間かけて少しずつ飲む習慣は、歯が溶けやすくなる原因になります。だらだら飲みを避け、飲んだあとは水で口をすすぐとよいでしょう。
  6. しみる刺激を一時的に控える:症状があるあいだは、極端に冷たいもの・熱いものを控えると楽になることがあります。

知覚過敏用の歯みがき剤はどのくらい使えばいい?

知覚過敏用の歯みがき剤は、使い始めてすぐに変化を感じるとは限らず、毎日続けて使うことが前提になります。改善の感じ方には個人差があります。しばらく続けても変わらない、しみる範囲が広がった、しみる時間が長くなってきたといった場合は、知覚過敏以外の原因も考えられるため、歯科医院で確認しましょう。

避けたいこと

  • しみる歯をみがかずに放置する
  • 痛み止めを飲みながら、長いあいだ様子を見続ける(痛みが治まっても原因が残っていることがあります)
  • 硬い毛の歯ブラシや、研磨剤の多い歯みがき剤で強くこする
  • 熱いものでしみる、ズキズキするのに、市販の歯みがき剤だけで対処しようとする

歯がしみるのはいつまで?様子を見てよいケースと受診の目安

知覚過敏による軽いしみは、時間の経過とともに自然に治まることもよくあるとされています。一方で、しみる時間が長くなる、熱いものでしみる、何もしなくても痛むといった変化がある場合は、自然に治るのを待たずに受診を検討したいサインです。

軽い知覚過敏が自然に治まることがあるのは、唾液や歯みがき剤に含まれる成分によって、露出した象牙質の細い管がふさがっていくためと考えられています。これを再石灰化といいます。再石灰化とは、唾液などに含まれるカルシウムなどの成分が歯の表面に取り込まれ、歯を修復する方向に働く現象のことです。一方、穴があくほど進んだ虫歯や、歯のひびは、自然に元に戻ることはありません。

しみるのが治らない・長引くときに考えられること

しみる症状がなかなか治らない場合は、知覚過敏の原因が続いている(強い歯みがき、歯ぎしり、酸性の飲食の習慣など)、歯周病で歯ぐき下がりが進んでいる、虫歯やひびなど知覚過敏以外の原因がある、といった可能性が考えられます。原因が残ったままでは、自宅での対処だけで改善しにくいこともあります。

こんなときは歯科医院に相談を

症状・状況 相談のタイミングの目安
熱いものでしみる・痛む できるだけ早めに
何もしなくても痛む、夜に痛みで目が覚める できるだけ早めに
しみる時間が長くなってきた、しみる歯が増えた 早めに予約して受診
詰め物・被せ物が取れた、欠けた、すき間が気になる 早めに予約して受診
噛むとしみる・痛む 早めに予約して受診
歯ぐきの腫れや出血、歯ぐき下がりが気になる 早めに予約して受診
知覚過敏用の歯みがき剤を続けても変わらない、悪化している 早めに予約して受診
治療後のしみが日を追うごとに強くなる 治療を受けた歯科医院に早めに相談
冷たいもので一瞬しみるが、すぐ治まり悪化していない 定期検診などの機会に相談

当てはまる項目がある方は、原因を確かめるためにも一度歯科医院でお口の状態を確認しておくと、その後の対処を選びやすくなります。

歯医者でのしみる歯の治療は?原因に合わせた主な処置

歯科医院では、まずしみる原因が知覚過敏なのか、虫歯やひび、神経の炎症なのかを確かめたうえで、原因に合わせた処置を行います。知覚過敏であれば、露出した象牙質を保護して刺激を伝わりにくくする処置が中心になります。

主な処置 主な対象 内容
薬剤の塗布 知覚過敏 露出した象牙質に薬剤を塗り、細い管をふさいで刺激を神経に伝わりにくくします
表面のコーティング 知覚過敏 接着材を使い、樹脂の薄い膜で象牙質の表面を覆います
詰めて形を補う 根元のすり減り・へこみ、酸蝕歯 へこんだ部分を歯科用の樹脂で埋めて形を整え、象牙質の表面を覆います
かみ合わせの調整・マウスピース 歯ぎしり・食いしばり、治療後のかみ合わせ 特定の歯に強い力がかからないよう調整し、就寝中の歯ぎしりにはマウスピースを検討します
虫歯の治療 虫歯・二次う蝕 虫歯の部分を取り除いて詰める・被せるほか、古い詰め物をやり直すこともあります
歯周病の治療 歯周病による歯ぐき下がり 歯石の除去や歯みがきの見直しで、歯ぐきの炎症を抑えます
神経の治療 神経の炎症が強い場合 神経を取り除く治療(根管治療)を検討することがあります

日本歯科医師会の解説によると、歯科医院で材料を塗る方法は、歯みがき剤による方法よりも効果が高く即効性もあるとされ、樹脂の膜で覆う方法にも即効性があるとされています。ただし、効果の現れ方や持続には個人差があり、一度で治まらない場合は処置を繰り返したり、別の方法を組み合わせたりすることもあります。

神経を取る治療は慎重に判断します

しみる痛みが比較的長く続く場合や、痛みが非常に強い場合は、歯の神経に炎症などの変化が起きていることが疑われます。歯の神経はできるだけ残すことが望ましいとされていますが、日常生活に支障が出るほどの症状がある場合には、神経を取り除く治療を行うこともあります。どの処置が適しているかは、症状の経過と検査の結果をもとにご説明します。

虫歯や歯周病がしみる原因になっている場合は、その治療を優先します。当院での虫歯・歯周病の診療内容については、当院の虫歯・歯周病治療のページでご案内しています。

治療後・歯石取りのあとに歯がしみるのはなぜ?いつまで続く?

虫歯の治療や歯石を取ったあとにしみるのは、処置によって歯の神経が一時的に刺激を感じやすくなったり、歯石に覆われていた根元の象牙質が出てきたりするためと考えられています。しばらく経過を見るうちに治まることもありますが、強くなる場合は再治療が必要になることもあります。

詰め物・被せ物のあとにしみる理由

日本歯科医師会の解説では、虫歯の治療後に知覚過敏が起きることがあり、その理由として、歯を削る処置そのもので神経が痛みを感じやすくなることや、治療法によってはかみ合わせたときに痛みを感じるようになることが挙げられています。特に深い虫歯を治療した歯は、神経に近いところまで処置をしているため、しみやすいことがあります。

しばらく経過を見るうちにしみる症状がなくなる場合もありますが、再治療や神経を取り除く治療が必要になることもあるとされています。治療後の経過では、次の点を目安にしてください。

  • しみ方が日を追うごとに軽くなっているか
  • 何もしなくても痛む、夜に痛むといった症状が出ていないか
  • 噛んだときに痛む、詰め物が高く感じるといった違和感がないか
  • 冷たいものだけでなく、熱いものでもしみるようになっていないか

軽くなっていかない場合や、上のような症状がある場合は、治療を受けた歯科医院に早めに相談しましょう。かみ合わせの高さを調整するだけで楽になることもあります。

歯石を取ったあとにしみる理由

歯の表面に歯石がたくさん付いている場合、それを取り除いたときに根元の象牙質が露出した状態になり、しみることがあります。また、歯ぐきの炎症が治まって引き締まると、それまで隠れていた根元が見えるようになることもあります。しみるからといって歯石取りを避けると、歯周病が進んで歯ぐき下がりがさらに進むおそれがあるため、しみやすいことを伝えたうえで処置を続けることが大切です。

歯がしみるのを防ぐには?歯ぐき下がり・歯ぎしり・酸蝕歯への備え

知覚過敏を確実に防ぐ方法はないとされていますが、歯周病と虫歯を予防し、歯ぐき下がりや歯のすり減りを進めない習慣を心がけることが、しみる症状の予防につながると考えられています。加齢による歯ぐきの下がりはある程度避けられないからこそ、日々のケアで進行をゆるやかにすることが大切です。

歯周病を予防して歯ぐき下がりを防ぐ

歯周病とは、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)から入り込んだ細菌が歯ぐきに炎症を起こした状態(歯肉炎)と、それに加えて歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)を溶かしてしまう状態(歯周炎)を合わせた病気のことで、歯周病原菌と呼ばれる細菌が関わっていると考えられています(厚生労働省 e-ヘルスネット「歯周病とは」)。

歯周病が進むと歯ぐきが下がり、歯の根元の象牙質が出てきて、しみやすくなる原因になります。歯と歯ぐきの境目の歯垢をていねいに落とすこと、歯間ブラシやデンタルフロスで歯と歯の間も清掃することが、歯周病と知覚過敏の両方の予防につながります。

歯ぎしり・食いしばりに気づいたら

歯ぎしりや食いしばりで強い力が繰り返しかかると、歯がすり減ったり、細かなひびが入ったりして、しみる原因になることがあります。就寝中の歯ぎしりはご自身では気づきにくいため、家族に指摘された、朝起きたときにあごが疲れている、歯の先がすり減って平らになってきたといった場合は注意が必要です。

歯ぎしり・食いしばりの原因や対策については、歯ぎしり・食いしばりの原因と対策を解説した記事で詳しくご紹介しています。

酸蝕歯を防ぐ飲食の工夫

酸性の飲食物を一切やめる必要はありませんが、とり方には工夫の余地があります。炭酸飲料やスポーツドリンク、酸っぱい飲み物を長い時間かけて少しずつ飲む、寝る前に飲むといった習慣は、歯が酸にふれる時間を長くします。時間を決めてとる、飲んだあとに水で口をすすぐといった工夫を取り入れてみましょう。

正しい歯みがきと定期検診

やわらかめの歯ブラシを使い、力を入れすぎずに小刻みに動かすみがき方は、歯ぐき下がりや根元のすり減りを防ぐうえでも役立ちます。また、定期検診では、ご自身では気づきにくい歯ぐき下がりや初期の虫歯、歯のすり減りの兆候を確認でき、しみる症状が強くなる前に対策を考えることができます。定期検診の内容は、当院の予防歯科・定期検診のページでご案内しています。

よくある質問(FAQ)

歯がしみるのはいつまで続きますか?自然に治りますか?

知覚過敏による軽いしみは、唾液などの働きで象牙質の細い管がふさがり、時間の経過とともに自然に治まることもあるとされています。ただし、虫歯やひび、神経の炎症が原因の場合は自然に治ることはありません。しみる時間が長くなる、熱いものでしみる、何もしなくても痛むといった場合は、早めに受診してください。

知覚過敏と虫歯はどう見分けますか?

目安としては、刺激があるときだけ一瞬しみてすぐ治まる場合は知覚過敏、しみる時間が長い、何もしなくても痛む、黒い変色や穴がある場合は虫歯の可能性が考えられます。ただし、歯と歯の間や詰め物の下の虫歯は見えにくく、両方が同時に起きていることもあるため、ご自身で確実に見分けるのは難しいのが実際です。気になる場合は歯科医院で確認しましょう。

熱いものがしみるのは危ないですか?

熱いもので痛む場合は、歯の神経に炎症が起きている可能性があるとされ、冷たいものでしみる場合よりも注意が必要です。冷たい水で一時的に楽になることがありますが、治ったわけではなく悪化するおそれがあります。熱いものでしみる、ズキズキするといった症状があるときは、様子を見ずに早めに歯科医院を受診してください。

治療後(詰め物・被せ物のあと)に歯がしみるのはなぜですか?いつまで続きますか?

歯を削る処置によって神経が一時的に刺激を感じやすくなることや、かみ合わせの影響などが考えられます。しばらく経過を見るうちに治まることもありますが、続く期間には個人差があります。日を追うごとに強くなる、何もしなくても痛む、噛むと痛いといった場合は、再治療が必要なこともあるため、治療を受けた歯科医院に早めにご相談ください。

知覚過敏用の歯みがき粉は効きますか?どのくらい使えばいいですか?

硝酸カリウムなどを含む知覚過敏用の歯みがき剤は、継続して使うことで改善効果があることが確かめられているとされています。使い始めてすぐに変化を感じるとは限らないため、毎日続けて使うことが前提です。改善の感じ方には個人差があり、続けても変わらない、悪化するといった場合は、知覚過敏以外の原因も考えられるため受診をおすすめします。

歯ぎしりでも歯はしみますか?

はい、歯ぎしりや食いしばりが原因で歯がしみることがあります。強い力が繰り返しかかることで歯がすり減って象牙質が出てきたり、細かなひびが入ったりするためです。就寝中の歯ぎしりは自覚しにくいため、家族に指摘された、朝あごが疲れているといった場合は、歯科医院でかみ合わせやマウスピースについて相談してみてください。

歯医者ではどんな治療をしますか?費用は保険ですか?

まず、しみる原因が知覚過敏なのか、虫歯やひび、神経の炎症なのかを確かめます。知覚過敏であれば薬剤の塗布や表面のコーティング、へこみを樹脂で補う処置などを、虫歯であれば虫歯の治療を行います。しみる症状に対する処置は、診察のうえ保険診療で対応できるものが多くあります。当院は保険医療機関であり、保険診療の費用は全国一律です。具体的な内容は診察のうえでご説明します。

武蔵小金井で歯がしみる症状のご相談なら

歯がしみる原因は、知覚過敏のこともあれば、虫歯や神経の炎症のこともあり、ご自身では見分けにくいものです。次のような方は、まずはご相談ください。

  • しみるのが知覚過敏なのか虫歯なのか分からず、気になっている方
  • 熱いものでしみる、何もしなくても痛むといった症状がある方
  • 知覚過敏用の歯みがき剤を使っても、しみる症状が変わらない方
  • 治療後や歯石を取ったあとのしみが続いている方

初回のご相談から治療開始までの一般的な流れは、次のとおりです。

  1. WEB予約またはお電話でご予約いただきます
  2. ご来院時に、しみる場面や続く時間、いつ頃からかなどの症状をお伺いします
  3. お口の中の確認や、必要に応じてエックス線検査などを行い、しみる原因を調べます
  4. 検査結果をもとに、考えられる原因と処置の選択肢をご説明します
  5. ご納得いただいたうえで、処置や治療を始めます

当院はJR中央線「武蔵小金井駅」南口から徒歩3分で、日曜日も診療しています(祝日は休診です)。基本は予約制ですが、急な痛みなどには当日予約・急患対応も行っていますので、お口の状態を拝見し、診察のうえでご説明します。

参考文献・出典

監修:秋山 正憲(院長・審美治療/精密治療担当/医療法人社団デルタ)プロフィール

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療方針は診察のうえ個々の状態により異なります。詳しくは歯科医師にご相談ください。

秋山 正憲

この記事の監修者

秋山 正憲院長・歯科医師(審美治療・精密治療担当)

武蔵小金井ハーヴェスト歯科・矯正歯科 院長。マイクロスコープを用いた精密治療、セラミック治療、ダイレクトボンディングを担当。英語での診療に対応。
SJCD レギュラーコース・マスターコース修了/5D アドバンスコース修了/日本口腔インプラント学会 インプラント100時間講習修了

公開日 2026.10.03 最終更新日 2026.09.26 | 歯科医師紹介

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