こんにちは!
武蔵小金井ハーヴェスト歯科・矯正歯科です!
本格的な夏を迎え、厳しい日差しが照りつける日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今年もマスクでの生活が続くことになり、より一層暑さが体に堪えますね。
このような暑い時期には冷たいものを食べたり、水分をとる機会も増えると思います。
今の時期によく飲まれるのが清涼飲料水やスポーツドリンク。
つめたく冷やした飲み物を飲むと爽快感がありますよね。
また、スポーツ時や熱中症対策としてこまめにスポーツ飲料を飲む方もいらっしゃるかと思います。
夏によく飲まれるこういった飲み物も、飲み方によっては「酸蝕症(さんしょくしょう)」を引き起こしてしまうかもしれません。
今回はこの「酸蝕症」について、
【1】酸蝕症とその症状
【2】原因
【3】飲食物の酸性度
【4】酸蝕症の予防法
の順にお話させて頂きたいと思います。
【1】「酸蝕症」とその症状
「酸蝕症」とは、酸性度の高い食事や飲料の頻繁な摂取、逆流性食道炎の胃酸など、酸によって歯全体のエナメル質が溶かされてしまう症状のことを言います。
あまり耳馴染みがないかもしれませんが、歯周病やむし歯に続いて、歯を失う疾患として注目されています。
むし歯も酸によってエナメル質が溶かされるのですが、むし歯では原因となる細菌がいて部分的に穴が空いていくのに対し、
酸蝕症は細菌との関連はなく、全体的に歯が溶かされて薄くなっていくという違いがあります。
酸蝕症の症状としては、
・知覚過敏を起こして歯がしみる
・歯が黄色くなる
・歯が透けて見える
・歯が細くなる
・歯が丸みを帯びる
・歯の表面がへこむ
・詰め物や被せ物が外れやすくなる
などがあります。
歯の表面のエナメル質が溶けてしまうので、むし歯にもなりやすくなってしまいます。
【2】「酸蝕症」の原因
酸蝕症の原因には、内因性によるものと外因性によるものがあります。
内因性:逆流性食道炎、つわり、無理なダイエットによる嘔吐、摂食障害
外因性:酸性度の高い食品(飲料水、果物、健康食品など)を頻繁に口にする
歯は酸に弱く、胃酸や酸性度の高い食品が何度も口の中に入ることで、徐々に歯全体のエナメル質が浸蝕されてしまうのです。
【3】飲食物の酸性度
通常、私達のお口の中はpH7(中性)前後の状態に保たれています。
しかし、飲食をすることによってお口の中は一時的に酸性に傾き、その後唾液の働きでまた中性に戻ります。
このpHの値が5.5以下になると歯の表面のエナメル質が溶けだしてしまいます。
では私達が普段食べている飲食物のpHはどのくらいなのでしょうか?
※飲料水などは、メーカーによりpHの値は異なります。
飲料や食べ物のほとんどはpH5.5以下で、炭酸飲料やスポーツ飲料などは酸性度が高いことが分かります。
また、ダイエットや健康の為に飲む黒酢、健康や美容の為に食べるフルーツなど、身体に良いと言われるものでも酸性度が高いので、摂りすぎると酸蝕症のリスクが高まってしまいます。
【4】酸蝕症の予防法
そうは言っても、酸性のものを食べない生活はできません。
酸蝕症のことを知った上で、工夫して、しっかり予防していきましょう。
ここでは酸蝕症を防ぐ為の4つのポイントをお伝えしたいと思います。
①酸性度の高い食べ物・飲み物の摂取量を減らす
酸性度の高い食べ物や飲み物を食べる事や食べる量が多い方は、少し減らしてみましょう。
②決まった時間に食事をとる、ちょこちょこ飲みをしない
食事の時間が決まっていない方や、頻繁に飲み物を摂ることが習慣化している方は少し注意が必要です。
食べる・飲む時間を決める、または飲食の間隔を空けることを意識してみてください。
③原因となるものを長時間口に入れない
酸性度の高い飲食物を口にした後は水やお茶を飲んだり、逆流性食道炎の後はすぐ口をゆすいだりして、酸性のものが口の中にある時間をなるべく短くしてみましょう。
④唾液の量を増やす
お口の中を中性にしてくれる唾液はとても大切です。
よく噛んで食事中を摂ることや、ガムなどを噛むこと、
また、リラックスすると唾液の量は増えますので、心身を休める時間も作ってみてください。
歯の形が変わってきた、歯の色が黄色くなってきた、冷たいものがしみる…など気になる症状が出たらそのままにせずぜひ歯科医院を受診して下さいね。
早期処置がとても大切になります。
お心当たりがあった方や、ご心配がある方は一度ご相談ください。
とはいえ、厳しい暑さが続きますので、適切な水分・塩分補給をし、お身体ご自愛くださいね。