こんにちは!
武蔵小金井ハーヴェスト歯科・矯正歯科です。
本日は『摂食嚥下』についてのお話です。
摂食嚥下とは、
食物を認知し、食塊を形成し飲み込み、胃に送り込むまでの一連の流れのことをいいます。
この摂食嚥下ですが、臨床的に5期に区分されます。
この5期のいずれかが障害された状態を
『摂食嚥下障害』といいます。
原因
様々な原因があるとされますが、大きく分けて3つに分類されます。
①形態的な異常・・・口腔や咽頭・喉頭の接触嚥下に関わる器官の形が変化してしまうことで起きる。ex)腫瘍や外傷、術後
②機能的な異常・・・神経や筋の機能障害で起きる。ex)パーキンソン病、ギランバレー症候群、筋ジストロフィー
③認知機能の異常・・・摂食前の食べ物を認識する摂食行動が障害される。ex)認知症
この他にも薬物によるもの、筋力の低下が考えられます。
摂食嚥下リハビリテーション
摂食嚥下障害の患者様に対して最も重要なことは、脱水・低栄養の治療を優先させることです。
リハビリテーションの進め方としては、以下の6つが挙げられます。
1,医学的な安定を得る
2,口腔衛生を整える
3,間接訓練
4,直接訓練
5,摂食訓練
6,外科的治療
まず初めに必要なのは、上記通り患者の意欲・体力が必要であり、具体的に言うと脱水や低栄養がない状態にすることです。
それから口腔ケアの介入をします。
摂食嚥下障害の患者様はセルフケアが行えないことが多いので、口腔の衛生状態が悪く、歯周病や誤嚥性肺炎へのリスクが上がってしまいますし、感覚器である舌や咽頭の機能を低下させ嚥下反射(飲み込みの誘発)を低下させてしまいます。
この状態にさせないため口腔ケアを十分に行います。
医学的な安定性を得ると訓練を行うことが可能となります。
機能障害に対する訓練を中心に行い、嚥下造影検査により評価をし、次のステップに行けるかの判断をします。
場合により外科的治療を検討する必要もあり、手術により経口摂食が可能になる例が多いとされています。
日本は今、『超高齢社会』であり誤嚥性肺炎が原因で死亡する例が多いです。
できる限り高齢者や障がい者を自立させることで、生産人口が減る日本には大きな意味を持つと考えられ、
未来の日本に向けた準備が必要です。
参考文献:医歯薬出版株式会社 摂食嚥下リハビリテーション