• 2022/06/23
  • 歯科コラム

フラップ手術

こんにちは
武蔵小金井ハーヴェスト歯科・矯正歯科です。

都内は梅雨空でもやもやした天気が続いていますね^^;

早く夏が来ないかな~
早く海行きたいな~

そんな気分です(笑)
夏が待ち遠しいですね!!

さて、今日は「フラップ手術」のお話。
この手術は歯周病が大きく関わるので、先に歯周病のお話から始めます。

歯周病

歯周組織に原発して組織が病的な状態に陥ったもの。

歯周病のほとんどはプラーク中の細菌が原因であり、歯肉に限局していれば”歯肉炎”歯周組織にまで炎症が及んでいる場合は”歯周炎”といいます。

歯周病の起炎性因子

①プラーク
歯周病を引き起こす直接の原因はプラーク中の細菌(バイオフィルム)です。
1種類の特定の細菌によるものではなく、複数の細菌による感染症です。
その中でも、P.gingivalis・ T.denticola・ T.forsythensis は重度歯周炎にみられる代表的な3大歯周病菌です。

②歯石
歯周組織への直接の為害作用にはなりませんが、プラークが粗造な面の歯石に付着しやすく、歯肉縁下にあると歯肉に機械的な刺激を与えてしまいます。


歯周病の進行

①正常な歯周組織➡歯の支えとなる組織に異常がみられない。
 

②歯肉炎➡歯肉に限局した炎症(発赤)がみられるが、歯槽骨は正常。 
 

③軽度歯周炎➡歯肉の腫れが大きくなり、出血がみとめられる。
 

④中等度歯周炎➡歯周ポケットが深くなり、歯槽骨が歯の半分くらいまで破壊される。

 ⑤重度歯周炎➡歯槽骨の喪失で、歯の動揺が激しくなる。 

歯周外科治療

4㎜以上のポケットがあり、プロービング(ポケットの深さを測る器具での検査)時に出血する場合や、プラークコントロールが困難な場合、その他必要に応じて歯周外科治療を行います。

フラップ手術(歯肉剥離掻把術)

骨膜を残した全層弁、または一部残した部分層弁を剥離させ、プラーク・歯石、不良肉芽組織をキュレットスケーラーで掻把し、歯肉を整形し縫合します。必要に応じては、縫合した創面の保護や細菌感染防止として歯周パックを行う場合もあります。
歯周ポケットの除去もしくは減少を目的として行われる処置です。


愛がある絵ですね(笑)…なんとなく想像できればいいです。

近年では、フラップ手術に伴い歯周組織再生療法が行われるようになりました。
主な再生療法として、歯周組織再生誘導法のGTR法エナメルマトリックスタンパク質(エムドゲイン)を応用した方法などがあります。

術後は1週間ほどで、歯周パックの除去と抜糸を行いますが、その間の創部の清掃は洗口剤を中心に清潔を保ちます。
抜糸後は、柔らかいブラシを使用し弱圧でブラッシングを行ってもらいます。

参考文献:医歯薬出版株式会社 歯科予防処置論・歯科保健指導論
               歯科診療補助論

まとめ

・軽度の場合はスケーリングルートプレーニングなどの処置を行い経過をみる。
・早期に発見すれば患者様自身の負担が少なくなる(外科治療を行わないため)。
・外科治療は、中等度~重度の歯周組織の破壊が著しいものに対しての治療であり、最終手段である。
・歯周組織の再生を促す治療がある。
・外科治療後も病状の安定化のため定期的な来院が求められる。
・術後のプラークコントロールも重要である。

以上、歯周病がいかに厄介な歯科疾患かお判りいただけたでしょうか?
歯を支える骨までも溶かしていくなんて怖いですよね。
ご自身で歯周病かどうかを見極めるポイントは、歯肉の色と出血があるかないかです。
通常の歯肉はピンク色で張りがあり、ブラッシングで出血は起こりません。
ブラッシングなどの刺激で出血された場合、歯肉の炎症が疑われますのでできるだけ早い段階で歯科医院に来院しましょう。









一覧に戻る

カテゴリーCategory
アーカイブArchive